■熱中症にご注意_080811

都心は連日の暑さで、あいさつが「暑いですねー」になっています。またスコールのような夕立が連日の様にきて、東京はもはや亜熱帯地方といってもいい状態です。このような中で炎天下に長くいることは熱中症の原因になり、危険な場合もあります。熱中症を良く理解して、予防につとめ元気に夏を過ごしたいものです。

こんな状況は注意
人間は急な温度変化には弱いものです。梅雨があけて急に暑くなったときにはからだが暑さに慣れていないため、多量の汗をかいて体温の調節が出来にくい場合があります。また暑い中長時間水分を十分にとらないでいると、からだが脱水となりふらふらになってしまいます。また閉め切った室内で冷房をかけないでいると、汗が蒸発せず熱がこもり危険な状態になります。数年前に老夫婦が熱中症により室内で亡くなられた報道がありました。すなわち汗をかく水分が身体からなくなること、かいた汗が蒸発出来ない状況は注意が必要です。

状態はどうですか
従来の分類は熱痙攣(ねつけいれん)(足の筋肉がつってしまうなど)熱失神(立ちくらみや意識がもうろうとする)熱疲労(ふらふらで体温が上昇する)熱射病〔日射病〕(意識不明で危険な状態)になっていますが、具合の悪さとことばの意味が難しく適切ではないかもしれません。最近はI度(軽症)II度(中等症)III度(重症)と三つに分類する方がわかりやすいとされています。以前は日射病とも言っていましたが、最近は熱中症ですべてをさすことが多いようです。特にIII度の重症になると全身状態が悪化し生命の危険が出てきます。
 
どのように治療しますか
I度(軽症)
風通しの良い日陰や冷房のある部屋でスポーツドリンクを十分にとって休息すれば改善します。
II度(中等症)
ぐったりして体温が上がってきた場合はすぐからだを冷やさなくてはいけません。衣服を脱がせ、汗が乾燥しやすいようにして水分をとり、全身状態が少しでも悪化すれば救急車を呼ぶなどして点滴などの高度な治療が必要です。
III度(重症)
意識がなくなる、ばったり倒れるなど誰がみても重症な時は、一刻も早くからだを冷やしながら救急車を呼んで下さい。

予防法は
1.暑い中に長時間いないこと
2.水分補給をこまめに行う
3.汗をかいた服は着がえる
4.体調不良な時は運動を休む
5.具合が少しでも悪ければすぐ休む
など決して無理をしてはいけないのです。

水分補給が重要なわけ
昔のスポーツが根性ものの時代は暑い中でも練習中は水分をとらないことがいいとされていて、私も35年ほど前はそのような経験をしました。そのころアメリカの弱いアメフト部のコーチが何とかいい方法がないかと医師に相談して出来たのがゲータレードというスポーツドリンクでした。体液に近い成分で、運動中の失われた水分を効果的に補給できることから、運動効率が上がり、アメフト部は優勝したそうです。この頃より日本でも運動中の水分補給がいいとされ今では当たり前のことになっています。

大丈夫かなと思う前に

夏本番で、朝から外で思いっきり遊ぶ子供たちも多いと思います。楽しさのあまり水分補給がおろそかになり、ふらふらになり病院にかつぎこまれ点滴をすることも珍しくありません。大人も暑い部屋の中で仕事をしていて熱中症になることがあります。人間は一定のレベルを越えたら急に状態が悪化するのです。少しでも状態がおかしいと思ったら、運動や遊びを止めさせ、水分の補給と冷やすことをまずして下さい。改善しなければ病院で適切な治療を受けて下さい。熱中症を甘く見ていたり、治療が遅くなり亡くなられる方が毎年おられます。大切な命ですから大事にして下さい。大人は自己判断で、また子供たちのペースをコントロールできるのは我々大人ですから十分注意して下さい。

吉本一哉
九品仏/吉本診療所院長[医学博士]