■特定健診が始まります_080408

健診が大きく変わります。まず名前ですが今まで区の行っていた基本健康診査(いわゆる基本健診)がなくなります。特定健診において国はメタボリックシンドロームに代表される糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を減らすことを目的としています。それにより将来の医療費の抑制が見込めるとしています。ではどこが変わったのでしょうか。

まず健康診断を委託するのは世田谷区などの地方公共団体から、医療保険などを管轄している国保連合(40〜74歳)や広域連合(75歳以上)に変わります。これにより、今まで以上に多くの方に健診が受けてもらえると予想しており、積極的な疾病の拾い上げが期待されています。

健診項目は

健診項目は国の定めた基本の部分があり、これをもとにメタボリックシンドロームの判定が行われます。しかしこれでは今までの区の健診項目より少なくなるので、今まで行っていた項目の不足分を区が上積みして今までの健診項目とほぼ同じになりました。ですから皆さんが医療機関を受診されても今までと健診内容はほとんど変わりません。
 
結果判定では

結果判定ではまず腹囲が最初のチェック項目です。男性85cm、女性90cm以上の方に対し、糖尿病の検査値、脂質の検査値や血圧の異常が指摘され、更に喫煙歴を考慮したリスクの数により治療を行うか、保健指導を行うかを判定します。

保健指導が始まります

結果判定において治療対象以外のリスクの多かった方は新たに行われる特定保健指導を受けて頂くことになります。リスクの少ない場合はその病気を良く理解し治すきっかけを作るための動機づけ支援が行われます。より多くのリスクがあった場合はさらに細かく支援を行う積極的支援が行われます。どちらも6ヶ月を一つの単位として数回の面接や電話やe-mailなどを使った連絡により支援を継続するのです。


腹囲の増加はすべてのメタボリックシンドロームの入り口になると言われています。糖尿病や高脂血症を放っておくと動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞といった病気になり糖尿病からは網膜症で失明の危険も出てきます。特定健診はこれらの病態の進行を阻止する目的で始められます。

新年度が始まりいつもであれば皆様に健診の封書が送られる頃ですが、大きな機構改革のためもう少し時間がかかるようです。いままで慣れ親しんだ基本健診が終わり、特定健診に変わることは時代の変化による主たる病気の移り変わりが原因ではないでしょうか。高血圧の話の中でも書いていますが、以前多かった脳出血は激減し、脳梗塞が多くを占める現在の病気に対する我々の意識も変えなくてはいけないのかもしれません。

吉本一哉
九品仏/吉本診療所院長[医学博士]